~中国あるある3~
今回は中国の列車について。
鉄道の駅については前にも書いたことがあるが、常に人が溢れており、特に長距離列車や寝台車の切符を買うには最低でも3日くらい前には行かないと売り切れのことが多い。もちろん切符を買う窓口は常に長蛇の列で、列ができていればまだ良いが、人がひたすら押しかけていたり、並んでいても途中から入ってこようとするのは当たり前。長蛇の列ができているにもかかわらず、窓口の職員が休憩時間のために突然窓口を閉め、隣の列になだれ込んできてあちこちで言い合いが始まったり、そりゃもう中国語のわからない私達にしたら、毎回命がけであった。
上海や北京、成都のような大都市の駅には、外国人用に英語で電光掲示がされている窓口もあり、確か英語も通じたと思う。この「確か通じたと思う」という言い方はなぜかというと、中国では英語がしゃべれる人でも中国語訛りひどく、中国語にしか聞こえないことも多いため、ホステルのスタッフ以外でほとんど通じた記憶がないのだ。もっとも中国に限らず、私のような日本人が喋る日本語訛りのデタラメ英語も、きっと酷いもんだろうなーと思うと他人の事をとやかくは言えないが。
列車は割と時間通り運行されている。
硬座車両は一番安い、昔のボックス席タイプ。それでも座席に番号が振ってあって、いちいち切符を見ない人や、本当はバラバラの席しか取れなかったが空いている所に座っている団体さんなどもいて、自分の席を見つけても別の人がいたりするのは当たり前。他に空いていればそこに座ってしまったりもしたが、基本的には自分の切符を見せてそこは自分の席だと主張すれば、相手は退いてくれる。
シートはその名の通り硬い椅子の4人がけだから、長時間乗るのはしんどい。私達は何度か利用したが、しんどいけれど中国人の庶民の列車での過ごし方が見られたり、同席の人達と言葉はわからなくとも交流できたりするのは面白かった。
軟座車両はグリーン車みたいなもので、シートは独立しており多少はリクライニングもする。中距離の都市間にしかなく、意外と値段が高いので、あまり利用しなかったが快適。
寝台車両の硬臥は3段ベットで向かい合わせに6ベットが一区切り。それが一車両にたくさん(どれくらいだったか覚えていない)詰め込まれている。長距離移動なら断然オススメで、特に向かいあった一番上の二つを取ると、人が自分のベッドをよじ登ったり降りたりしないので、私達のお気に入りだった。
寝台だと切符は車両ごとにいる車掌さん?に預けてしまい、彼らが降りる駅が近づくと知らせに来てくれるので、安心して乗っていられるのも良い点。一番上のベットだと天井までが狭いので食事をしたりできないが、通路には折りたたみの小さな椅子とテーブルが付いているので、誰もいない時にそこを使えば良い。
席の空きがないまま隅っこでカップ麺を食べようとしていて、気がついた中国人が席を譲ってくれた事も一度ならず。彼らはシェアする事が普通の事で、バスで老人に席を譲ったり、困っている人に声をかける事がとても自然にできる習慣を持っているように感じた。
さらに軟臥なるものがあり、そちらは二段ベットが二列で個室型。高級なので利用した事はない。
またネットで調べた情報によると、さらに一等、二等、高包と上のクラスもあるらしいが、我々には縁のない話。
さらにネット情報では、切符の購入もインターネットや駅の自動券売機が主流になってきているようなので、私達が旅をしていた頃とは窓口の長蛇の列も変わってきているのかもしれない。
さて庶民の話に戻ると、中国では至る所に飲食用の熱湯が出る設備がある。ホステルや駅はもちろん、列車の中にも。彼らは常にマイボトルを携帯してお茶を持ち歩くし、長距離移動となれば山のようにカップ麺を持ち込んで、毎食カップ麺を食べる。これは大げさのように思うかもしれないが、本当である。彼らは街中にいくらでも安くて美味しいヌードル屋があるのに、カップ麺が大好きなのだ。
列車の中でよく見かける中国人の携帯食ベスト3は、カップ麺、ひまわりの種、チキンの足のおつまみといったところだろうか。他にもキュウリや果物、ゆで卵、魚肉ソーセージ、ジャーキーのようなものなどおやつは必携である。もちろん私達も真似して色々買ってみた。
ただし長距離バスの中でカップ麺を食べて、通路のゴミ箱に汁ごと捨てた中国人を見た時にはさすがに呆れた。さらにそれを注意した運転手が「汁は窓から外に捨てろ」的な事を言ったのには、驚くやら呆れるやら。中国人との高い壁を感じずにはいられなかった。