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tabi_photo20 .jpg …南寧にて念願の鴨飯。もちろん美味!…


〜中国最後〜

国境を越える日の朝。夜中にベッドバグを発見し、ほぼ徹夜で朝を迎えた哲郎氏と、寝不足気味の私。二人とも体調万全とは言えないが、バスのチケットも買ってあるし、何よりベッドバグのいる部屋でこれ以上延泊する気にもなれず、予定通り出発。

南寧から乗ったバスは長い田舎道を猛スピードで走り、途中ランチ休憩をとって、難なくベトナムとの国境へ到着。そこで出国手続きとなるのだが、まずバスの中で係りの人が全員のパスポートを集め、そのままバスを降ろされる。
何の説明もなく、というか中国語で説明されたのかもしれないが、私達は全く勝手が分からないまま、とにかく同じバスの人達についていく。パスポートは持ってないしバスも乗り換えるらしいとわかり、ものすごく不安な状態でオロオロしていると、昼食時に少しだけ話をした青年が、入国手続きの窓口で自分のパスポートを受け取らなければならないと教えてくれる。

さてその窓口はどこぞと見るや、中国人がわんさと押し掛けてごった返している窓口があり、そこに私達のパスポートもあるらしい。その人混みの中で果たしてパスポートを受け取ることなどできるのだろうかとゲンナリするが、とにかく窓口の状況を見ていると、単に名前を呼ばれたら取りに行けば良いらしい。
こんなに単純なことなのに、なぜ窓口の前があんな戦争状態になっていたのか不明だが、後ろの方でしばらく待つと、私の名前らしき音が聞こえ、慌てて手を上げて人混みをかき分けて一番前に進み出る。
入国管理官は私の顔を一瞥し、パスポートもチラッと見た後すぐにパスポートを渡してくれた。なんの質問も無く、名前の確認すら無かったように思う。哲郎氏も同様にパスポートを受け取り、まずは無事にベトナムへの入国を果たした。
 tabi_photo20_2.jpg

その後はというと、ベトナム側の駐車場にはかなりの数のバスが並んでおり、国境まで一緒に乗っていた中国人達もこの後の行き先は別々のようで、それぞれの目的地へ行くバスに乗り込んでいる。
バスのフロントガラスには行き先らしきものが貼ってあるが、全て中国語。さて困ったぞと人に聞いたりウロウロしていると、またしても先ほどの中国人青年が私達の乗るバスを一緒に探してくれた。残念ながら彼とは行き先が違い、そこでお別れとなったが、本当に何度お礼を言っても足りないくらいである。
こうしてどうにかハノイへ向けて出発。

このバスに乗っていればハノイに着く。ということはわかっていても、ハノイの街のどこに着くのか。そこから予約してあるホステルまでどうやって移動すれば良いのかなど、分からない事だらけ。前夜に色々調べてみたが、この越境ルートはベトナムと中国を往来する中国人向けのものであって、観光客向けではないらしく、とにかく情報が乏しかったのだ。それでもどうにかなるだろうと出発してみたは良いものの、ハノイに着いたと言われ放り出された場所は、やはり何の目印もなく大通りから外れた交差点。想像通り、再びオロオロである。。。

周りはバイクタクシー達に囲まれてやんやと声をかけられるが、私達はベトナムの通貨を一銭も持っていない。大体、相場も何もわからないままバイクタクシーなんかに乗って、ろくな事にならないのは目に見えている。
そこで「お金を持っていない!」と叫びバイタクを振り払いながら、銀行を探して歩き出す。ラッキーな事に一区画歩いた先で銀行のATMを見つけ、どうにか現地通貨を手に入れ、さてバイタク達のカモになるかどうするかと悩んでいると、またしてもバスで一緒だった英語の上手な中国人女性が声を掛けてくれる。
彼女は途中休憩の時も、中国語のアナウンスしか無かったのに気付き、英語で私達に集合時間を教えてくれていた。ハノイで働いていて、今友人がバイクで迎えに来るのを待っているところだとの事。ここのバイタクはぼったくりが酷いので乗らないほうが良い。友人にバイクで送ってもらえるよう頼んであげると、女神のようなお言葉。

私達は15kgもあるバックパックを背負った二人連れなのにと恐縮したが、彼女の友人は快く順番にホステルまで運んでくれ、その後彼女を迎えに行った。
名前も何も聞かないままお別れとなってしまった彼らに、ひたすらサンキューとしか言えなかった自分たちがとてももどかしく、今思い出してもなぜだか涙が出そうになる。国境での事と言い、人に世話を焼いてもらわなければ何もできない小さな子供になったように感じた事をよく覚えている。それと同時に一ヶ月半の中国の旅。時に無愛想だったり怒りっぽい人もいたけれど、根は良い人が多くていろんな人に助けられたな〜と妙に恋しく思えてしまうのだった。

そしてこの時から、困っている人には自分から声をかけよう。特に中国人にはこの恩を返すべく、自分たちのできる限りの事をしようと心に誓ったのであった。   

  tabi_photo20_3.jpg …ハノイへ向かうバスの車窓より…


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