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tabi_photo21 .jpg …上空から見たモンゴルの大地…


~モンゴル到着~

ここからしばらくは時を遡って、北京から往復のチケットを取って、二週間だけ行ったモンゴルのお話。

北京空港は北京の街の喧騒からは想像もできないくらい、綺麗で静かで広々とした近代的な空港。滑走路が混んでいるのか、乗り込んだ後も2時間くらい動かないままだったが、どうにか離陸して飛ぶこと2時間。モンゴルに到着。
上空から見えた景色は、明らかに建物や街といった人工物がなくなり、茶色い山と砂漠と小さな緑、自然のままにうねる川というまさに大自然。到着したチンギスハーン国際空港はびっくりするくらい小さな空港で、ウランバートルの街からは車で20分くらい離れた乾いた大地の中にポツンと建っている。

モンゴルでの移動手段が全くわからなかったため、予約したゲストハウスで送迎をお願いしていた。2時間も遅れたというのにゲートを出ると運転手のおじさんは笑顔で迎えてくれ、私達を車まで案内してくれた。和やかな空気にホッとして、車にバックパックを積んでいた矢先、哲郎氏がハッとした顔で振り返る。哲郎氏がいつも持っているもう一つの荷物が無い!
もう一つの荷物とはキャンバス。この旅の最大のミッションとも言えるキャンバスを荷物受け取りロビーに置いてきてしまったのだ。 哲郎氏は英語で「バック忘れたから取ってくる!」と叫んで走り出したが、運転手さんは英語がわからない。残された私がジェスチャーで大きな四角を描いたり、建物を指差して「bag,inside」とでたらめな英語を発していると、運転手さんも察したのか私にここで待つようにという仕草をして、哲郎氏の後を追って走って行った。

駐車場に一人残された私は、あのロビーに逆流できるのかな?などと考えつつ、中国では見られなかった広くて真っ青な空をぼんやりと眺めていた。
10分もせずに、キャンバスを持った哲郎氏と運転手さんが笑顔で戻ってきて一件落着。この時哲郎氏は、外の職員に荷物を忘れたと告げ、許可を得たものの、事情を知らない入り口の警備員に阻まれ、フェイントでかわしながら強引に中に入ってキャンバスを取ってきたそうだ。まったく迷惑な客だが、セキュリティの甘い空港で助かった。
こうして改めて二人で真っ青な空を眺め、青空の中をトンビだか鷲だかが優雅に舞い、ぐるっと見回しても乾いた大地以外何も無い風景に感動しつつ、一路ウランバートルのゲストハウスへ向かった。
 tabi_photo21_2.jpg

市街地へ向かう道は、舗装はされているがアスファルトが悪いのか道路が穴だらけ。そこをどうにかうまく避けながら走る運転手さんの気遣いを感じる。もちろん人も車も中国のように多くは無いが、さすがに市街地に入ると渋滞していてなかなか進まない交差点もある。そんな時中国ではクラクションが鳴りまくり、殺気立った雰囲気になっているのが普通だったが、モンゴルではそんなことはなく、仕方ないな~という感じでのんびり待っている。その時の私達は一ヶ月中国で過ごした後だったので、特別に静かな心安らぐ街に感じられた。

私達がモンゴルへ着いたのは5月23日。北京ではすでに初夏の陽気だったのだが、ウランバートルでは数日前まで大雪だったとのこと。晴れると暖かいが、朝晩は真冬のように寒くなるので、真冬のフリースは手放せず、それを脱いだり着たりして温度調節するしかない。ウランバートルの人たちも革ジャンや真冬のコートを着ている人が多かったように思う。

初日に感じたのは、寒いせいか国民性か、人々はもの静かで少しとっつき難いような印象だった。
顔は日本人とよく似ていて、日本人より体格の良いガッチリした男性が多い。中国ではしょっちゅう中国語で話しかけられていた哲郎氏は、今度は何度もモンゴル語で話しかけられる。やっぱり日本人のルーツはこっちかと納得である。
テレビに映っていたアイドルグループも、どちらかというとガッチリ体型で顔はいたってシンプル。それを見た哲郎氏は「この国なら俺もアイドルになれるかも!」と言ってみたが、ゲストハウスのスタッフには即座に否定されていた。。。残念。
  

  tabi_photo21_3.jpg …真っ青な空を舞う鷲…


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