~2012/4/24 上海へ~
この日が出発となったきっかけは、マンションの立ち退き云々が決まった後、結婚式を予定していた親友に、どうにか私達の出発前にと打診したところ、会場を予約できたのが 4/22だったということで、その後にしたというだけ。おかげで退職、引越し後一ヶ月あまり時間があり、日立の実家で過ごさせてもらったり、震災一年後の三陸海岸の漁村にてボランティア、2泊3日の韓国練習旅行を経て出発の日を迎えた。
出発の朝、天気は晴れ。15kg近いバックパックを背負い、袖ヶ浦の私の実家から一度川崎までバスで渡る。渡った先には一ヶ月前までの上司が車で迎えに来てくれ、茨城空港まで送ってくれるという。勝手な理由でやめたにも関わらず旅も応援してくれ、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。茨城空港には、哲郎氏の両親、友人たちも見送りに来てくれた。
飛行機はさすがLCCだけあって、座席は狭いしサービスは一切なし。もちろん承知の上で安い便を取っているので、これは全く問題なし。ただ子供は通路を走り回り、大人たちも大きな声でしゃべり続けるあの空間に、その後中国で経験する国民性を垣間見た気がする。
途中一度だけ、キャビンアテンダントが通路に立って、リラックス体操なるものをやってくれた。手や首を回したりするだけだったが、カウントは中国語で、ここぞとばかり必死で発音を覚える。この時は軽い気持ちだったが、翌日にはこの中国語の数字がかなり役に立つと判明。何しろ中国で何か買おうとしたら英語の数字は通じず、個数も値段も中国語の数字で言われるからだ。
上海到着。天気は雨。昔から何か記念すべき日、楽しみにしていた日は雨になる私。日本を出発する時は晴れていたので、幸先が良いと思っていたのに。。。残念。
とにかく二日間だけは安いホテルを予約していたので、そこへ向かうべく、空港の高い手数料の窓口で両替し、バス乗り場を探す。上海空港はびっくりするくらい大きくて綺麗。今思うと、上海にしろ北京にしろ、国際空港はものすごく大きくてデザインも凝っていて綺麗。これが中国が国を挙げて外国に対して印象づけたい中国のイメージなのだと思う。街に出ると雑多としてだいぶ違うイメージになるのだが。
とはいえ中国だけではなく、成田や羽田を見ても、私達の暮らしている街からすると大変モダンで近未来的な建物だったりするので、どの国もそうなのかもしれない。
上海市内まで行くバスを見つけ、メトロに乗り換え、さらに雨の中ホテルまで歩き、やっと辿り着いた。ほとんど英語は通じないがどうにかチェックインし、とにかく空腹を満たすべく街に出る。しかし小さな飲食店はポツポツあるが、どうにも注文できそうになく値段の確認もできない。困り果てたところで、壁に料理の写真と値段と思しき数字が書いてある店があり、勇気を出して入店。壁の写真を指差して2品を注文。ほっとしたのもつかの間、一度奥に入った店主が手ぶらで戻って来た。「あれ、注文できてなかったのかな?」と不安になったその時、店主が小麦粉を丸めた生地を伸ばし始め、ものの5分で注文したヌードルが出来上がった!これには本当に感動して、味はそこそこだったと思うが、ヌードル打ちを見たくて翌日も同じ店に行ってしまったくらいだ。中国人の職人技に触れた初日となった。