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tabi_photo48.jpg …カンボジア国境にはアンコールワットを模したゲート…



~バンコクからカンボジア、シェムリアップへ~

今回はバンコクで滞在中、ビザの更新がてらカンボジアの国境を越えて、シェムリアップという街に行ったお話第一弾。

シェムリアップは、かの有名なアンコールワットの観光の拠点になる街で、つまり私達はアンコールワットを目指したわけ。出発の時点では次の予防接種まで一週間以上は余裕があったので、そのまま他の街も観光するか未定のまま出発する事になった。


先に「出発」と書いたが、それはいつも通りバンコクからカンボジアへ行くルートのリサーチから始まる。
宿のオーナーさん曰く、シェムリアップに近いカンボジアとの国境にカジノがあり、そのカジノ行きのバスというのに乗って国境まで行けるとのこと。その先はオーナーさんも行った事は無いが、出国、入国と手続きすれば、カンボジア側にもバスか何かがあるのでは?という情報。
ネットの情報でも、バンコクからシェムリアップに行った情報が少しは出てくるのだが、いまいち詳細がわからずイマイチ気分が乗らない。

まずカジノ行きバス乗り場がどこかわからないとか、出発が早朝でBTSも動いていないのでタクシーに乗らなければならないとか、不安な要素が多過ぎる。バス乗り場だと言われるルンビニパークにも行ってみたりしたけれど、日中にバスがいるわけでもなく収穫なし。

いつも行き当たりばったりで「どうにかなるか~」と言っていそうな私達だけれど、意外とナーバスになる事もあるのだ。特に国境越えが絡むと、英語ができない役立たずの私を連れて、自分がどうにかしなきゃならないと思っている哲郎氏は、本当にナーバス。
そしてこのカンボジア行きはどう頑張ってもわからない事が多く、不安を抱えピリピリしながらの出発となった。


出発の朝。
タクシーの運ちゃんにカジノ行きのバスに乗りたいと伝えると、ルンビニパーク脇の大通りに何台も停車している観光バスの一台に横付け。
すんなりそのバスに乗れる事になり、国境までは一安心。バスの中は冷房ガンガンで、冷蔵庫か??と思うくらいの寒さだったが、早起きだったせいもあり、ぐっすり眠って気付けば国境。
タイ側の国境には宿のオーナーさんが言っていた通り、大きなマーケットがあって服やら雑貨やら食べ物がずらっと並んでいる。買い物はできないので、とりあえず軽く腹ごしらえ。
ヌードルとフランスパンのサンドイッチ。ラオスともベトナムとも少し違って、すでにカンボジアスタイル。どっさりサラダが挟まっていて嬉しい。
tabi_photo48_2.jpg …タイ側国境で食べたランチ。この時までは平和だったのだが。。。…

  タイの出国は難なく済み、問題はカンボジアの入国。
入国の申請用紙に記入していると、入国審査官があれこれ書き方を説明してくれ、しまいには空欄を埋めてくれたりする。親切だな~などと感心しながら記入して提出すると、100バーツ払えと言う。先にビザ用のお金は払ったはずで、「何のお金?」と聞くと堂々と「書き方を教えてやったじゃないか」とのたもうた。
少々抵抗したが、入国できないのも困るので仕方なく数十バーツ渡しスタンプをもらう。


カンボジアについて調べたり人から聞いた情報で、確かに何でもお金を要求されるというような事は聞いていたが、「役人が真っ先にやってきたかー」とテンションは下がる。

が、とにかくシェムリアップまで行くバスを探さねばとキョロキョロしていると、「international tourist bus」という表示のバスに誘導され、すぐにバス停に着いた。そして連れて行かれた待合室には、大きなバックパックを背負った外国人ばかり。10人集まったらミニバンが出発すると言われ、どうにも嫌な感じではあるが、他に公共のバスがありそうにもなく、仕方なくそこで待つ。

今思えば、シェムリアップはアンコールワット観光の拠点の街。こんな辺鄙な国境から行きたいというのは観光客しかいないから、外国人向けの交通手段しか無いのは当然。現地の人々の暮らしを考えたら、タイとの国境を行ったり来たり出来る人間なんてごくわずかなのだから。
つまり現地の人たちにとっては、ここにいる外国人は金持ちの旅行者と認識される。残念ながらそう覚悟するしかない。

冷静に客観的に考えれば、当たり前の事なのだが、当時は「なるべく安く現地の人と同じように!」とか無理のある事を思っていたので、この後の展開でさらに凹む結果となる。。。


その後10人詰め込まれたミニバンは、予想通り何もない怪しい場所で停まり、当然そこにはトゥクトゥクが待ち構えており、乗らなきゃどこにも行けないと脅される。
見渡す限り人も車も建物も見当たらないような場所である。相手の思うツボだが乗るしかない。私達が乗り込むとすかさず助手席には、日本語のできる男が乗ってくる。相手は完全なるプロ。もうがっかりしすぎて何も話す気がなくなる。それでも行き先だけは告げなければと頑張るが、やっぱり勝手に自分の提携しているゲストハウスに連れて行かれる。。。そして2ドル。

回避できない事が多い中で、唯一私達が準備で失敗したことは1ドル札をたくさん用意していなかった事。
トゥクトゥクに10ドル札でお釣りと言っても無いと言われるし、何かと言うと「1ドル」と言われる。ここまでUSドルは何かの時のために一応持っていたが、ドルを使う国には行っていなかったので、小額紙幣までは揃えていなかった私達はタジタジ。
泊まるつもりのないゲストハウスのフロントで道を聞いた際、ペン立てを落として壊してしまいさらに2ドルと言われ、踏んだり蹴ったり。そこにいた他のバックパッッカーが見かねて両替してくれて、どうにかその場を逃れ、ネットで見つけていたゲストハウスを目指して歩き出す。

所詮1ドル、2ドルという日本にいたらなんでもない額の話なのだが、そのお金を払わせる暗黙の仕組みや、当然のように言われる感じがどうにも割り切れず、毎度へこんでしまう心の弱い私達。
ベトナムの時にも感じたこの疑心暗鬼になる気持ちは大の苦手で、二人とも精神的にも肉体的にもクタクタである。

幸いどうにか目星を付けていたゲストハウスまで歩いてたどり着き、部屋が決まり一安心。オーナーさんも親切な人だったので、雑談などしてやっと心も落ち着く。
同室の旅行者達も気さくに夕食に誘ってくれ、居心地の良い宿に助けられてどうにか苦難の初日が終わっていった。


  

tabi_photo48_3.jpg …夕食は5ドルでコース料理の店。誘ってくれた皆んなに感謝!…
  


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